日本帝國(民國30年|1941)昭和16年,最新テレビジョン工学 第五巻,第六篇 テレビジョン送信機、第八篇(A) 有線中継装置、第八篇(B) 無線中継装置,東京 誠文堂新光社《Black Water Museum Collections | 黑水博物館館藏》
スとして 80 オームのインピーダンスを持つた同心型饋電線を用ひてアン テナに饋電される。アンテナは二つの波長ダブレットを同一位相に勵振 して水平方向の發射電波を大にしてある、而して入/4の平行線より成る整 合装置によつて饋電點のインピーダンスを整合してある。アンテナは饋電 線の同心管と共に組立式となし、移動の時はこれを取外して車側に積重ね て移動することができる。
音聲送信機は出力周波數 17.75 Mc の陽極變調方式の小出力電力のもの である。
映像受信機はスーパー・ヘテロダイン方式を用ひてゐる。中間周波を 20 Mc とし,3 Me の測波帶傳送が可能で、低周波出力も亦 3Mc まで出 される。受像用空中線は映像送信車用のものと同じで、繼竿式の高さ 10m の木柱を用ひ、ギアーによつて數分にして組立,分解しまた運搬ができる。
音聲受信機は再生檢波低周波增幅一段の簡單なるもので空中線は映像受 信用空中線木柱の途中より引張つた簡單なものである。
(b) ロンドン・テレビジョン自動車隊(4)
隊の編成は、撮像車,映像送信車,電源車及び空中線車の4輛よりなり、更 にアレキサンドラ宮 (Alexandra Palace) 放送所に於ける中繼用受信機が 附屬する、上記の自動車の大さは長さ27呎6吋,幅7呎6吋,高さ 10 呎8吋である。
撮像車には撮像用カメラ3箇とマイクロホン6箇とを備へ、これに對す るすべての制御装置が整備されてをり,その装置は放送局の局内設備と大 體同様で、ただ規模を小にしただけである(第六編超短波送信機參照),音 聲は電話線により主放送局に送られる。第8B: 39闘はその外部で、車の 外壁が上下に開き、中が自由に點檢できる、との全設備の消費電力は 5kW で、三相 50 サイクルの電源を用ひる。1000呎のケーブルによりカメラを移動することができる。
4). J.-C. Macnamara & D, C. Birkiershaw: JIEE, March (1939)
[第8B:39] ロンドン・テレビジョン自動車隊撮像車
映像送信車に於ける超短波送信機は,搬送波周波數 64 Meで,グリッド正 愛調方式を採用し、出力は尖頭値で1kW である、發振器は 32 Meで、通 倍器により 64 Mc となし、5段のプッシュプル型超短波増幅器を経て終段變 調されて空中線に至る。使用真空管 は全部空冷式である、第8B:40 圖 は送信機の最後の2段を示す。
電源車には前2車に供給すべき電力を發生する石油エンヂン發電機がある、エンヂンは6氣筒,120馬力,2200 回轉每分,直結發電機は三相,415 ボルト,50 サイクルである。
最も異色のあるのは空中線車に於ける空中線であつて、その準備に要する時間,設置すべき空間,高さと輻射特性等を種種考慮の結果、特に第8B: 41 圖の如き空中線を用ひてゐる、消防用梯子の原理をそのまま
2) 可搬屋外撮像中繼機
前節にて述べたテレビジョン自動車験は広範園の行動には便利であるかが 細い行動には不便がある、第一に自動車の大な車隊の通れるところでない と行動ができない、更にカメラに附属するケーブルの長さにも限度がある。 から動作範園も自ら制限される。第二に全體の準備にも相當の時間を要す る、これをラジオ中繼装置の簡單さに比較すると大変な異ひである。木楼 置は第一適用範圍廣く,輕量小型な自動車で、至るところ運搬可能で、必要な箇所で外部に取出すとと ができる、第二準備時間が 小であることの要求からで きたのである。從て主放送 局の極く近くの都市内にて 主として動作するものであ る.例として米國NBC會社 に用ひられてゐるものについて紹介(6)する、第8B:42圖はその全装置を示す、テレビジョン・カメラは 3箇使用可能である。ここには運搬に便するた めに第8B:43 圖に示す如く4吋の小型アイコ ノスコープも使用してゐる。中繼用超短波放送 機として周波數 288Mc, 尖頭出力25W,水 晶制御で周波數レスポンス特性は約 7.Me まで は平らである、運搬が容易であるため建物の屋 上にまで運ぶことができる、送像用空中線は楔 形にして數個の波長ダブレットを組合した反
6) T. A. Smith: R.C.A. Review, Jan. (1940)
📌 電視史
Comments